自動車保険の落とし穴。安さ・相場だけから選ばない
自動車保険はとにかく安く済ませたい。そう思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、必要なところまで削りすぎてしまうと、いざという時に補償が受けられない可能性があります。
いくら安くても、保障が受けられない自動車保険では意味がありませんよね。
自動車保険は安さや相場だけを重視せず、必要な補償が得られるかどうかも重視して選ぶ必要があると言えるでしょう。
そこでこちらでは、自動車保険の金額の仕組みや、意外な落とし穴となりやすいポイントなどを解説していきます。
自動車保険の保険料は、車種や車を運転する人、運転免許証の色などによって大きく変わってきます。
まずは、どのような要素が自動車保険の保険料と関係して来るのか、から見ていきましょう。
1等級〜20等級までの「等級」がある
自動車保険には、保険を利用することによって変わる「等級」が設けられています。
事故を起こして保険を使用すると、この等級は下がってしまいます。
まず自動車保険に加入すると、6等級から始まります。
無事に1年間事故を起こさず保険を使用しなかった場合、等級は1つ上がり、7となります。
逆に事故を起こしてしまった場合には、一気に3つも下がってしまうのです。
この等級は最高で20等級、最低で1等級まで下がってしまいます。
1等級であるということは事故を起こしやすいドライバーだということですから、保険会社からの信頼が低くなります。等級は別の保険会社とも共有されるため、1等級の場合にはどこの保険会社とも契約することが難しくなります。
この等級によって、保険料は変わってきます。
等級が高いほど、保険料は安く済みます。
車の運転者を限定した方が安くなる!
基本的に、その車を運転する人(保険の対象になる人)を保険の契約者のみ、本人と配偶者、本人と家族、運転者の限定無しというパターンから選ぶことができます。
そう聞いて、友人に運転を変わってもらう時などに安心だし、運転者を限定しない契約にするのが良さそうだなと思った方もいるのではないでしょうか。
しかし、運転者の限定無しの契約の場合、保険料は高くなってしまいます。
契約者本人しか運転しない(対象にならない)という契約にしたほうが、保険料は安くなるというわけなのです!
ただし、自動車保険の対象を契約者本人のみにした場合、友人に運転を変わってもらう時などには注意が必要です。
友人が自動車保険に入っているかどうか、きちんと確認をしておいたほうが良いでしょう。
運転者の年齢によっても保険料は変わってくる
車を運転する人の年齢が低ければ低いほど、保険料は割高になってしまいます。
まだ若くて収入も少ないのに、保険料が高かったら払っていけない!と、思ってしまいますよね。
若いということはまだ運転免許を取ってから日が浅く、運転の経験も浅いとみなされてしまいます。
そのため、事故を起こす可能性が高いと判断され、高い保険料になってしまうのです。
免許証の色によっても金額は変わる
運転免許証は、事故や違反などの状況によってグリーン、ブルー、ゴールドの3種類になっています。
当然、無事故無違反の期間が長いゴールド免許が、保険料が一番安くなります。
車種や型式、使用の目的によっても保険料が変わってくる
車を買う理由は、人によってさまざまですよね。
ある人は通勤や通学に使うために購入しますし、ある人は日常生活のため、たまにレジャーに行くために購入するでしょう。
業務用として購入される場合もありますよね。
その使用目的によっても、保険料は変わってきます。
業務目的として使用する場合には保険料は高くなります。次いで通勤、通学用となり、日常やレジャーのために使用する場合には一番保険料が安くなります。
ただし、本来の目的として使用していないと補償が受けられない危険もあります。
保険料が安くなるからと言って、嘘の申告をしないようにしましょう。
さらに自動車保険の保険料は、1年間の走行距離が短いほど安くなります。
また、いつ製造された車で排気量はどのくらいかなど、型式や車種などによっても保険料は変わります。
保険料を安くしたい!でも、安すぎる保険には不安や落とし穴も
保険料を出来るだけ安くしたいとお考えの方は多いと思います。
しかし、いざという時に必要な補償が受けられなくては、自動車保険に入っている意味が無くなってしまいます。
そんなことにならないために、最低限押さえておきたいポイントを見ていくことにしましょう。
対人、対物無制限が基本
誰しも事故は起こしたくありませんし、事故を身近に感じてはいないでしょう。
しかし、自分の運転する車で誰かを傷つけてしまったり、物や店舗などを破損してしまったりする可能性は、誰にでもあります。
このとき、対人、対物の補償が無制限になっていないと、大変なことになってしまうかもしれません!
事故で相手の方にけがをさせてしまった場合、治療費などを請求されることになりますし、事故のせいで相手の仕事に支障が出た場合、相手が得られるはずだった収入分を支払わなければならないケースもあります。
万が一相手の方が亡くなってしまったとなれば、生きていれば得られるはずだった収入などに関して、請求されることになります。
また、店舗などを壊してしまった場合などにも、高額の請求をされることがあります。
「高額の請求」と言われても、実際にどのくらい請求されるのか見当もつかないという人が多いでしょう。
過去の判例などから見てみると、死亡事故で5億円以上の賠償が命じられたケースもあります。
もし対人補償が無制限じゃなかったら、まず払えない金額だと言えますよね。
対物の場合にも、1億円を超える請求を受けるケースなどもあるようですから、対人、対物無制限は基本中の基本となるでしょう。
無保険車から自分の身を守ることも考えよう
ドライバーの中には、任意保険に加入していない方もいらっしゃいます。その数は、10〜30%程度にものぼると言われています。
事故は突然起こるものであり、相手は選べません。
もしかしたら、運悪くそのような「無保険車」の被害に遭ってしまう可能性もあります。
無保険車にけがなどをさせられた場合、車を購入する際に加入が義務付けられている自賠責保険から補償を受けることになります。
自賠責保険では、人身傷害の場合に120万円まで、死亡の場合には3,000万円までしか支払われません。
つまり、治療費や慰謝料などは最大で120万円しかもらえないということになります。
けがの治療が長引いてしまえば、120万円では足りない可能性も出てくるでしょう。
足りない分は、自分で相手に請求して支払ってもらうことになります。
しかし、相手はきちんと任意保険に加入をしないような方なのですから、請求をしても快く支払ってくれるケースは少ないと言えるでしょう。
そのうえ、請求のための交渉には精神的苦痛も伴います。
このような事態を防ぐために、ご自分の自動車保険に「人身傷害保険」や「搭乗者傷害保険」などを付けることを検討してみても良いでしょう。
自動車保険の金額がどのような条件で決まっているのかや、安すぎる自動車保険では補償が心配だというお話をしてきました。
もちろん、自動車保険のなかで削れるところは削り、節約するのは良いことだと思います。
しかし、せっかく自動車保険に加入するのですから、いざという時に必要な補償を受けたいですよね!
万が一事故を起こして人を傷つけてしまい、一生かかっても支払えないような多額の賠償金を請求されてしまったり、無保険車の被害に遭って泣き寝入りせざるを得ない状況になってしまったり・・・。
このようなことが起こってから後悔しても遅いですから、削るところは削り、手厚くするところは手厚くして、万が一に備えましょう!